2008年11月21日

病院から見える人間模様

病院から見える人間模様
エッフェル塔

父の入院で病院通いが続いている。

そこでは世の中のいろいろな問題を垣間見る。
ひとつは、
孤独な老人の姿。

付き添う人や家族がいない老人が多いことに驚く。

病気であるだけでも不安で心細い思いをしている患者たちなのに…。

父のシャント手術を待合室で待っている時に待合室で一緒になった女性。

「今、手術中のおじいちゃんとはあまり付き合いはないが、
他に誰もいないので手続きと手術の立ち会いをしてあげている。」と言っていた。

しかし、
「これ以上のことはできない。」とも。

ある日の診察室の待合ロビー。

後ろで大きな音がして振り向くと、
80歳くらいの男性が急に倒れ込んだ。

頭を打たないように私ひとりで支えていると、
何人かの看護婦さんが駆けつけてきた。

看護婦さんの問いかけに男性は答えていたが、
病院へは一人で来ていて、
家には誰もいないという。

父の診察に付き添ってきていた私は、
その老人がその後どうなったのかとても気になった。

以前、
自宅の前で自転車で転んだ高齢の女性がいた。
自転車が壊れてしまったので、
荷物を持って家まで送ったことがあったが、
その女性も一人住まいであった。

顔や手足に擦り傷があったので、
車で病院に送りましょうか、と言ったが、
頑なに断った。

しばらくして、
その女性は近くの青果店から果物を買ってお礼に来てくださった。


ある道で黒い物体が転がっていた!と思ったら、
おじいさんだった!

反対車線から車は何台も来るのに誰も止めて助けようとしない。

結局、
救急車を呼んでおじいさんを病院に運んでもらうことになった。

救急隊員の方にいろいろ聞かれたが、
私もよくわからない。

おじいさんが途中から意識を取り戻し、
スーパーでお弁当を買って家に帰る途中、
急にめまいがして倒れた、と言う。
近くに寿司弁当が入ったスーパーの袋が転がっていた。
散らばったお寿司が何だか悲しかった。

後頭部から血が出ているから、
仰向けに倒れたらしい。

そのおじいさんも一人住まいで誰もいない、と救急隊員に告げていた。

あのおじいさん、どうなるんだろう、と気になって仕方がない。


私の父や母がもしあのまま山形にいたら、
このおじいさんやおばあさんのようにどこかで倒れても、
誰も駆けつけてあげられないということになっていたのかも。

時々、本当に良かったのかと後悔するときもある。

いや、こちらに呼んでよかったんだ、と自分に言い聞かせる。

出来るだけのことをしてあげるんだ、と亡き妹に誓ったんだもの。


それにしても、
結婚しない20代、30代、40代、が増えて、
離婚して一人になる人もいて、
何十年後は、
老人の人口自体は減っても、
こういう孤独な老人の割合は今より大きくなるのかもしれない。

自由な人生と引き換えに、
孤独な老後。

それをまた、
政府が悪い、
制度が悪いと、
自分を顧みず、
人のせいにしてゆくのだろうか。

写真は、
昨年、
次男がヨーロッパへの修学旅行で撮ってきたパリのエッフェル塔。

病院から見える人間模様
ベルサイユ宮殿の鏡の間


ここのところ、
写真のストックがないので、
息子のアルバムから拝借!



Posted by 南国の雪女 at 18:51│Comments(2)
この記事へのコメント
高齢化社会とは私が生まれる前からすでにそうなっていたようですが、南国の雪女さんの日記を読ませていただいて、いわゆる「高齢化社会」の現実を思い知らされました。
高校生の時、老人ホームの職員の方に聞いた話ですが、お見舞いに来る家族がいる方は、お見舞いの来ない方からいじめを受けるとの事。だからお見舞いにきてもらわなくなるとか…。こういうことは寂しい気持ちがそうさせてしまうんじゃないか、ならば、たとえ自由を手にしたとしても寂しい気持ちに負けない自分にならなければと思いました。

きれいな写真にびっくり!!世界は広いのですね☆彡
Posted by kznママ at 2008年11月21日 22:20
私も他人事ではないので、肝に銘じて やはり困った時は
お互い様です。知らない振りはしないようにします。
Posted by わっしーわっしー at 2008年11月22日 07:27
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