2024年03月11日

3.11に思う


山形の友人から山桜が届いた。
九州でも山形の山桜は、
花材として使われるが、
とても貴重で高価。
長男の結婚式のお祝いに送ってくれたのだ。
披露宴の各テーブルに飾って、
最後に女性客に配り、
残ったものを持ち帰った。
友人は、
生け花やフラワーアレンジメントの講師仲間。
20代の頃、
山形市内の同じ教室に通っていた。
お家元は男性が多いが、
男性で花を仕事にする人は珍しい時代。
独特の世界観を持っていて、
力が必要なボクの使い方が上手くて羨ましかった。

その教室を経営して教えていたのは私の母。
母は花の仕事のほかに、
洋裁の教室とドレスのデザインや、
オーダーメイドもやっていた。
洋裁の仕事にも男性のデザイナーが、
母のもとに技術を習ったり、
デザインを相談に来ていた。
母は才能豊かな人で、
明るく朗らかで頑張り屋。
いつもたくさんの人に囲まれていた。
華やかで賑やかな人たちが出入りする環境で、
私自身は、
公務員の父に性格が似ていて地味に育った。

そこを継いで今頃は?のはずだったが…。
この山桜を見る度に、
もう一つの選ばなかった人生に思いを馳せた。

3.11は忘れられない日。
忘れてはいけない日。
その悲惨な光景を目の当たりにして、
遠く離れた故郷への想いの深さを
大切さを改めて思い知った日。
安全な場所に身を置き、
何もできない自分を責め続けた日々。
半月後にやっと辿り着き、
やはりここが私の居場所と思ったあの日。
その後、熊本地震。
そして、
能登の地震。
どこで何が起きるかわからない。

13年目の3.11。
十分な準備と覚悟を持ちつつ、
美しい花を穏やかな気持ちで眺められる日々が、
末長く続くことを心から願う。


  


Posted by 南国の雪女 at 11:24Comments(0)